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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
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《第564話》『力のあるべき姿』

「よォ、待ってたぜ。お前らが来るのをよォ」


 赤い瞳をギラギラさせながら、そいつ――冀羅は不敵に笑っていた。その様子からはコイツらしさを感じるところがあるが、纏う妖気はまるで以前とは別人だった。


「光栄だな。だが、不思議と嬉しくはないぞ」

「ツレねぇな鬼ババァ。こっちは、首をながぁくして待ってたってェのによォ」


 その背後から、四つ腕のロボットがまた数体歩いてくる。まるでそれは、冀羅自身が連れてきた兵士のよう。その銃口を向けられている妾達は、さらなる戦闘の予感に身構える。


「お前らはお楽しみの邪魔だ」


 ――だが。一瞬冀羅の姿がかき消えたかと思うと、そのロボットの軍団たちは一瞬にして破壊された。火の粉の中、部品を撒き散らかすそれらの中央に、長身の男は着地する。


「――っ!」

「俺は、お前らを俺自身の手で倒すために、ここまで来たんだよ。有象無象なんざ、ただの妨害行為以外の何者でもねぇ」


 そして冀羅は、一見何もないような廊下の天井の端を振り返った。


「そう言う事だバシャール。コイツは俺の喧嘩だ、一切手を出すんじゃねぇぞ」


 それだけ言ってから、冀羅はこちらへと向きなおした。

 様子から察するに、やはり内部のあちこちにカメラでも配置されているのだろう。そして――バシャールとやら。投げかけた言葉からも考えて、恐らくそいつが冀羅を勧誘した者なのだろう。


「俺はな。ブッ壊したいんだよ」


 冀羅の放つ気配が、増す。


「大昔からいるからっつってお山のてっぺんに座っている奴を。そして、そいつが尻尾を振る、支配者気取りの人間を」


 一体どういうカラクリなのか。それは、ともすると妾と同等――あるいは、それ以上。


「だってそうだろ? 妖怪はパワーが全てだ。余計なパワーウェイトレシオなんてモンは、本来必要ねぇ。そして、この世は本来弱肉強食。その道理に従うなら、ただ知恵が回り小賢しいだけの人間も、頂上に立ってるのはおかしいってもんだ」


 その妖気が、爆発する。


「だからこの俺様がぶっちぎってやるのよ! この、余計なしがらみだらけの世界をよォッ!」


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