表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
563/1022

《第562話》『歩兵』

「あらかた片付いたな、他愛無い――!」


 攻撃のできない兵隊など、恐るるに足らなかった。おまけにそれぞれの能力が通じるようになっているため、妾達の一団は、完全に覇気を取り戻すまでに至っている。

 この様子なら、未だ出てこぬ首謀者を締め上げるのも、容易いことだろう。勿論、それだけで妾達の現状が完全に良くなるわけではないが、市民の煽動をやめさせるだけで、効果は大きいはずだ。


「む――まだ残っていたか」


 妾は金属の足が床のタイルを叩く音を聞き振り返る。どの道攻撃のできない、無力で憐れなロボットだ。のんびり片手間で鬼火を放つだけで事足りる――、


 ――何だ? 見たことのないロボットだな……。


 上半身は両肩一点ずつから、二本、計四本の腕を生やし、赤い目が一つ点灯する、後頭部の長い頭部。下半身部分からは足が四本伸びてその2m近い巨体を支え、さらに後方からは尻尾のようなモノが生えている。

 そして――両手、尻尾の先端には、まさしく銃口のような深淵が開いていた。それはまるで、地獄の入り口のようで。冷たい視線めいたものすら――、


「呉葉!」

「――っ!」


 夜貴に、庇われるようにして妾は床に引き倒される。


 そのすぐ頭上を――ビームの束が通り抜けた。


「っ、ジャマーが機能しているのではなかったか!?」

「してるよ! けど、もしかするとアレは――!」


 ビームの通り抜けた先――白く、一点の穢れもなかったはずのその壁。


 そこには、焼け焦げ黒ずんだ穴がいくつも空いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ