《第557話》『最年少アルティメットブレイン』
「というワケで、出番だぞ! 二之前 イヴ!」
ピンセットでつまんだ指輪を、少し身長は高くなったような気もするが、まだまだ幼女な金髪ツインテールに差し出した。それにしてもコイツ、相変わらず無駄に大人びた表情をしているな。
「その前に確認するが、」
「む? なんだ、何でも聞いてみろ!」
「年端も行かぬ幼女に自分達の命運を任せて、恥ずかしくないのかね?」
「おぐっほォ!?」
う、うぐ――相も変わらず、強烈なボディブロー……! 流石零坐の孫――!
だが妾、こんなことで負けは――、
「なあ? 伝説の鬼神」
「ひぐろんぼろべっ!?」
目線は物理的に下なのに、はるか上空からエッフェル塔を突き刺すような、そんな鋭い精神的一撃。妾のプライドを本気でかち割りに来ている――ッ!
「こ、これ、イヴ! 呉葉様に向かって何たることを!」
「だが祖父、全て事実だ。鬼神は、ボクらに大して、『見て居ろ、すぐさま解決してやる』と豪語したのだぞ」
た、確かに、共にこの隠れ家へと逃れる際、そう言って誘ったが! 誘ったが!
「イ、イヴちゃーん――そんなに怒らないで……」
「む――」
「本当は、僕ら大人が解決すべきだってことは百も承知だし、申し訳なく思うけど――今はもう、そんなこと言ってられないんだ。イヴちゃんだけが、今は頼りなんだよ。本当にごめん……!」
「――別に謝らなくともいいよ夜貴クン。ボクは別に、やらないとは言って無い」
――この幼女、夜貴の言うことだけは素直に耳を傾けるな……っ! 一体どこで差が付いたと言うのか――!
「その前に、ボクにもピンセットか何かをくれないか」
「え?」
「ボクも、どうやら触れないようだからね。その指輪」




