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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
554/1022

《第553話》『撃退』

「遊、しっかり捕まってろよ――ッ!」

「……――っ、」


 抱えたまま、森の中を突き進む。腕部のカメラが破壊された場合、ヤツの正確な射程距離は半減することが分かっている。

 ――とは言え、こっちは体力の限界がある人間だ。その上、まだまだあちらの方が、足は速い。


「遊、頼む!」

「ん――!」


 身体が横から強く引っ張られる感覚。俺の出した速度はそのままに、人間の足では不可能な曲線を描いて走る方向が変わる。

 上空から垂らされる遊の糸に吊られ、振り子のようにぐるりと行先を変えたのだ。俺が丁度このあたりでいい、と思ったところで、糸の抵抗が切れる。


 対するロボット。後ろから聞こえた足音に、一度大きく失速したような歩調の減りを耳で感じた。だが、方向転換して、すぐに追いかけてくるだろう。

 だが、有効射程に入るまでの距離は稼げた。そのまま、先の木々の間から差し込む光めがけて走り抜ける。


「遊!」

「ん、ん――……!」


 合図をし、そのままその先へ。俺は地面を強く蹴り、身体を反転させる。


 足元に、いくつもの木々のてっぺんが広がった。


 崖の向こうへと飛びだした俺は、リボルバーの弾6発全てを撃ち尽くす。

 ロボットの視界は、頭四つのカメラ、下半身二つのカメラである。

 丁度六つ。それら全てにクリーンヒット。余すことなく破壊する。

 そして、俺は今、空中で遊の力により吊られている。さらに、ロボットは走ったことによる慣性を殺しきれず、そして、視界がブラックアウトしたため方向転換すらできないだろう。


 憐れロボットは、俺達の足元をすり抜けて。崖の下へと転落していった。


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