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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
517/1022

《第516話》『核の一撃』

 ゴ、ギィィイイイイイ――ッッ……、と、扉がきしみ開くような音。それが響くは何処か。


「上――何か、ある、ぞ……?」


 呉葉が、青ざめた表情で確認するようにもう一度。一瞬、僕も先輩も所長も。何を言っているのか分からなかったようで、一秒前後思考停止した。


 だが、その時間の中で。これまで起こった出来事が繋ぎ合わされる。それが導き出した答え。それを確認すべく、全員が弾かれるようにして窓際に走った。


 何も無いハズの空にぽっかりと、大穴が開いていた。


 大きさのほどは、ビル一件を縦にして飲みこませられそうなほどだろうか。直径何10mかという、巨大な穴。

 ――その穴から、何かが降りてくる。ロケットとも違う、先端の尖った何かが。


『諸君らの決断、我々としても残念に思う。どうやら、賢明な判断を下すには至らなかったようだ』


 テレビから、またあの声。相も変わらず、顔のわからぬ誰かがこちらを向いている。


『だが我々は慈悲深い。諸君らに、もう幾ばくか考えるチャンスを与えよう。よって我々は――、』


 天から降りてくるそれは――、


『核ミサイルを放つことにした。この一発の鉄槌が、きつけとなるよう祈っている』


「っ、ふざけるな――ッ!」


 その全貌を露わにし、落ちてくる核ミサイル。遅れてやってきた呉葉が窓から身を乗り出し、鋭い眼力で睨みつけた。

 現れる、空間の裂け目。呉葉の生じさせたそれに、ミサイルが飲みこまれる。


「ゴミは、持ち帰るのが基本だぞ――!」


 そしてもう一つ現れた空間の裂け目。そこから、先ほどのミサイルが飛び出す。最初に空いた、空の穴へと向かって。

 このままいけば、ミサイルは元来た場所に――呉葉の推論道理なら、発射した主へと返されるはず。この辺り一帯の地区は、着弾を免れることとなる。


「っ、な、なんだと――?」


 ――だが、ミサイルは何度も殴られたかのごとく、その向きをガクン、ガクンと修正し始めた。


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