《第511話》『これでも、組織内じゃエース張れる実力者なんだ』
「――ッ! ――――ッッ!! ~~~~~~ッッッ!!!」
「ッ! ~~~ッッ!! ~~~~、――――ッッッ!!!」
プラチナブロンドをアップで纏めた、紫色カジュアルドレス姿の女性と、拘り無く適当にカットしたブラウンの髪の、デニム地のシャツの男性の口論のようだ。
女性の周囲には、毒々しい気配の澱んだ空気が。男性の周りにはバチバチと弾ける高圧電流が取り巻いており、双方の険悪な表情と共に、両者が争っているのは一目見て分かった。
「ロシアのAgentとドイツのAgentデスね!? 放っておいてはinjury、双方とも大怪我しマース!?」
特殊能力同士がぶつかることにより、相殺し合った余波がこちらにまで吹き荒れてくる。
僕でもわかるほど、二人とも強力な力を持っているようで。推測するに、並の妖怪なら軽く粉砕できそうなほど。
勿論、ぶつかり合えば本気で危ない。死傷者さえ、出かねない程に。
止めねば、と思う。しかし、あんな中へと飛びこんでいったら、それこそこっちの身が危ない。
特に、僕程度では――、
「やめな、アンタら」
「ッ!!?」
よく通る声にざわっと、なったその直後には、
「それとも、暴力で止めてやろうか?」
ロシア女性と、ドイツ男性が帯びていた力の滞留が、刀の一振りで文字通り両断、霧散された。
大きく動いたわけでもない。ただ片手で、赤いロングコートの中から刀を抜き放ち、片手で居合っただけ。
クラウディア・ネロフィ先輩は、不敵な笑みを浮かべて抜き放った刃を肩にかけてい




