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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
509/1022

《第508話》『時の王者』

 精神的ダメージで反応が遅れた。冀羅のとび膝蹴りを、妾は両掌で受け止める。

 重い。ドカンと、腰から乗ったような重量感あるパワーが伝わってくる。


「俺様のアフターファイアに炙られてな!」

「――っ!」


 受け止められた反動のクッションを利用して、ふわりと冀羅が着地――と思った瞬間、妾の掌が爆発するように燃え上がる。


「どりゃァあァッ!!」


 後ろ回し蹴り。足の底をまた腕で受け止めるが、直後先ほどと同じくまた炎が弾ける。

 反動とばねを利用し逆回転。膝から深く入れ込むような回し蹴り。

 重く鋭い一撃一撃の割に、思いの外切り返しの素早い攻撃。それに加えて、いちいち上がる炎がうっとおしく結構熱い。――やるじゃないか若造。


 だが――ッ!


「どうしたどうした! 時代遅れの鬼神サンよ、」

「まだ、甘いな」

「な――っ!?」


 抉りこむような回し蹴りを防いだ後に襲い掛かってきた、頭上からつま先より向かってくる逆サマーソルトキック。妾はそのままそれを受け止めることはせず、手の甲で横に払ってやる。

 一度バランスを崩した時点で決した。そのままの流れで、ガラ空きの背中に掌打を見舞う。


 ――憐れ冀羅は、土の地面にこちらに尻を向けながらうつぶせに墜落した。


「ご、げほ――ッ」

「呉葉様、お見事ですぞ――!」

「それを言う前にお前が防がんか――っ!」

「い、いえ、私はあなた様の力を改めて見せつけることが、集団にとっては必要と考えたまでで」


 表とは全く異なる価値基準の世界である故、ド正論ではあるが、少々釈然としない。というか、零坐だけでなく他の誰かも動かぬか!? 妾悲しいぞ!

 ――で、それはひとまず置いておき、だ。


「さあ若造。来れば来るだけ大地の味を確認させてやるが、どうする?」

「ぐ、くっ――クソったれ、がぁ……っ」


 冀羅は立ち上がると、妾を睨み付けてくる。だが、先ほどよりも明らかに戦意は失われているようだ。


「チクショウ――ッッ!!」


 それだけ怒鳴り付けていくと、冀羅は爆炎を巻き散らかしてその場から消えた。


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