表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
508/1022

《第507話》『漆黒のサラブレッド』

「――誰だあいつは?」


 妾は隣で控えていた零坐に、声を上げたヤツのことを訪ねる。


「あやつは、『キラ』と言う者です」

「何? デス〇ートか何かか?」

「普段よく使われる字とは異なる方の『キボウ』の『冀』に、『ラセン』の『羅』と書くようです」

「つまり、『冀羅』――よもや、妖怪にもキラキラネームの時代が来るとは」

「――『きら』なだけに、ですか?」

「お前が冗談を言うとは珍しいな」

「こらテメェら! 何をコソコソ言ってやがんだッ!」


 吼える吼える、黄金の炎のような金髪に時代遅れ臭い黒のパンクスーツの大男が吼える。至る所に下げられたチェーンアクセサリーの類。目は狼のごとく鋭さで、天に瞬く星のように赤く煌めき、獰猛な威圧を隠しもしない。


「何でもない。しかし若造、『ババア』とは言ってくれるな? これでも、まだ1000歳だぞ?」

「どう考えても年寄りだろうがッ! 経年劣化が頭にまで及んでんじゃねーのか!」

「――狂鬼……呉葉様、何故若干嬉しそうなのです?」

「いやだって、年寄り扱いされるのが珍しくって――いつもいつも、どいつもこいつガキだのチビだの……」

「とーにーかーくーだ! いつまでも古臭ェエキゾーストノート垂れ流してんじゃねぇぞチビババア!」

「おぐぅっ!?」

「てめぇの時代は終わったんだ! これからは俺様の時代だぜ!」


 冀羅は、最後に妾のハートをブレイクする言葉を吐いた。結局、妾はそう言われてしまう運命だとでも言うのだろうか。


 それで隙を作ったつもりはないのだろうが――口の悪い若造は、声を張らねば言葉がはっきり聞こえないであろう位置から、一気に飛び掛かってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ