表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十六章
500/1022

《第499話》『いまこそ、消火器がその力を発揮する時!』

「あ、カレーだ」


 帰ってくると、食卓の上には見紛うことなくカレーが。しかし――、


「――でもなんで10皿?」

「ふっふっふ、今日の夕食はちょいと趣向を凝らしてみたのだ」


 何故か、小皿に盛られたカレーライスが、なんと10皿。皆すべて一様に同じ色、かつおなじ盛られ方。こんな風に並んだカレーなど、僕は初めて見た。本場インドくらいではなかろうか。ついでに、どこにこれだけのお皿があったのか。


「名付けて、ロシアンカレー!」

「うっわ、名前だけで何をしたいのか容易に想像できる!?」

「一応説明すると、これら全て辛さの度合いが異なっているのだが、そのうちの一つは別次元、泣く子がさらに泣きわめく鬼神級に辛いカレーなのだ」

「た、食べ物で遊んじゃだめだよぉ――」

「およそ、コ〇イチの10辛の倍だ!」


 呉葉は、勿論当たったヤツは全て完食がルールだと言った。そりゃあそうでしょうね! こう言うのにはお約束だろう。だろうとも。


「――全部同じ色なんですけど」

「辛さを変えながらも同じ色にするのに苦労しました! 作った妾ですらどれがどれだか覚えておらぬが、不正防止のために夜貴が先に5皿選ぶといい。あ、匂い嗅ぐのも禁止だぞ」

「全くのノーヒント――辛党だったら喜んで超辛を引きに行くところだけど」

「らっきょうと福伸付けの用意は充分だ! さあ、見事丁度いい辛さを引き当て、呉葉様特性カレーを味わうことができるか!」


 そうして選び終わり。まず僕からカレーを一口いただく。


「食事をこんなにドキドキしながら食べるなんて初めてだよ――もぐ……あ、」

「どうだ!?」

「あ、おいしい。丁度いい辛みが、マイルドに僕の舌を包んでくれる――」

「何せ、妾の自信作だからな!」

「――だったら、こんなことせず普通に出せばよかったんじゃ」

「やりたくなったのだから仕方なかろう! さあ、妾の番だ!」


 呉葉は自身の分をスプーンですくい、一口。


「――どう?」

「…………」

「――呉葉?」


「ぼァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!?」

「わぁーーーっ!? ボヤ騒ぎボヤ騒ぎ!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ