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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第一章
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《第四話》『夏場に熱い湯などは入れない』

「ふぃー……」


 夏の暑い一日を洗い流すシャワーは、思わず声が出てしまうモノだ。

 部屋はエアコンをかけていたために、汗自体は乾いてしまっている。しかし、まとわりついた塩気などが取れるわけでなく、こうやって流すことはとても気持ちいい。


「夜貴、入るぞ?」

「へァッ!?」


 思いもよらない言葉に振り返るのと同時。風呂場の扉が開き、妻である美しい鬼の裸体が姿を現した!


「ギャ、ギャーッ!?」

「何を初々しい乙女みたいな声を上げているんだ」

「だ、だってぇっ!!」


 僕は目を覆いながら、呉葉への文句を言う。も、もう少し、少なくとも見た目は女の子なんだから、恥じらいと言うモノをぉ!


「だっても何も、妾とお前は夫婦同士だろう? 裸のつきあいくらい、当然であろう?」

「そ、そりゃあそうかもしれないけどさぁ――」


 そうは言っても、結婚に至るまでの期間自体とても短かく、かつそれまで女の子とのお付き合いした経験すら、僕にはない。


「というか、呉葉は僕をからかうつもりで入ってきてるでしょ?」

「そんなことはないぞ。妾は単純に、夫婦の絆をより強固にしようとしているまでだ」

「そのオーバーなアクセントの付け方が、疑いに拍車をかけてるんだけど?」

「失礼な奴め。そうだ、いっそこの際だ」

「な、何――?」


「『裸の突き愛』の方も今からするか?」


「やっぱりからかいに来たんじゃないか!?」


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