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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十六章
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《第495話》『愛ゆえに』

「ううむ、買い物に行こうかとも思っていたが、どうするか――」


 珍しく、本格的な積雪。家の前の雪かきを終えた呉葉は、自慢の大柄なスーパースポーツカーを見ながらそう呟いた。

 ――ちなみに彼女の雪かきは、自慢の鬼火で纏めて解かし、蒸発させると言うモノ。ここが一応住宅街であることを考えてほしい。人の少ない早朝にやったからまだよかったモノの、ボヤ騒ぎがあったとかなかったとか、ちょっとした騒ぎになった。


「この前、スタッドレスに履き替えてたよね?」

「うむ、それはそうなのだがな」

「雪の上の運転が怖いとか――?」

「馬鹿を言え。妾とGT-Rがこの程度でどうにかなるわけなかろう。妾自身は己の反射神経に自信があるし、車はタイヤさえしっかりしていればスキー場を駆け上がれるような車だぞ?」

「は、はぁ――」

「ただ、な。何かこう、今日は事故る気がしてな。ほら、滅多に雪の降らぬ土地故、雪を舐めくさりノーマルタイヤで道路に出て騒ぎを起こすヤツもいるだろう? そう言う奴に巻き込まれそうで、な――」

「反射神経に自信があったんじゃ――」

「それは滑ったらの話であってだな――基本、急な操作は危ないぞ。突っ込んでこられたら、どうしようもない」


 まあ、積雪のあった地域でのそう言った事故は恒例行事みたいなもの。彼女の言うことも、分からなくもない。


「――というか、それこそ空間跳躍でいけばいいんじゃ」

「妾とて可能な限り人間らしい生活をしたいぞ! 空間繋げて買い物に行く人間がどこにいる!」

「それを言ったら、雪かきを手から炎出して済まそうとする人間がどこにいるんだよ!?」

「雪かき用シャベルが無かった以上、仕方無かろう!」


 ちょっと、彼女の基準は分からない。――まあ、それ程必要に迫られている感じでもないし、今日のところは家の中でぬくぬくしていてもいいんじゃないかな。また恐ろしく高い車の修理代払うのも嫌だし。あんなに車の修理が高いモノだとは。


 ――そう、思っていた矢先だった。


 呉葉の車に、コントロールを失った軽自動車が突っ込んで来たのは。


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