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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十六章
494/1022

《第493話》『ヒトのデートを邪魔する輩は――』

「遊、ちょっと居づらいんだが――」

「ん、ん」


 一つのお店に並ぶ、ズラリとした行列。俺、狼山 俊也は相変わらず黒のロングコートで、遊の姿はゴシックドレス。

 出勤して早々遊につれられた俺だが、一体全体どこに並んでいるのかと言うと――、


「ケーキショップ――ちょっと、見た目がファンシーすぎないか?」


 ピンクの下地に、白のフリルみたいな枠取り。おまけにそこに並ぶのは女性が大半、時々カップルみたいな男女。少なくとも、俺達みたいな真っ黒なヤツはあまりに場違いすぎる。

 ――ただ、チラシを押し付ける(というか実際に顔面にぎゅーぎゅーされた)ように見せてきた辺り、相当来たかったのだろう。こいつ、そんなにケーキ好きだったか?


「しかし遊、混んでるな」

「…………」

「待ち時間90分って――某ネズミの国じゃねぇんだから」

「…………」

「あ、別に待つのが嫌だってわけじゃないぜ。ちょっと肩身が狭いだけでな。足、疲れてないか? 背中はいつでも空いてるから、いつ言ってくれても構わないぜ」

「…………」

「遊――?」


 あまりにも反応がないので、俺は少し屈んで遊の顔を覗き込んだ。いつもは、喉を鳴らすなり触ってくるなり反応があるはずだが――相変わらず無表情のまま、正面の列をじっと見つめて……、


「うわぁあああああーーっっ!!?」

「ぎゃぁあああああーーっっ!!?」


 突然、前後の列から悲鳴。ハッとなって顔を上げると、男女問わず衣服がどこぞヘか飛んでいって大パニックに。


 次に遊の顔を見た時、彼女の顔は幽鬼のごとくニタリと笑っていた。

 こいつ、やりやがった――!?


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