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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十六章
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《第490話》『蜃気楼』

「なあ、やはり夜貴は妾がボンッ、キュッ、ボンッの方が良いか?」

「えっ――」


 顎に手を当てて、妙に神妙な面持ちで考え事をしているな、と思ったらこれである。いや、今も顔は結構真剣だし、本人的には重要なことなんだろうけど。


「別に、怒るつもりはないから正直に言って構わんぞ。参考までに聞きたいだけだ」

「――そう言うのって、大抵結局は怒るんじゃ……」

「小学校教師みたいなマネはせん! 本当に、ふと思ったから聞いてみたのだ。で、どうだ?」

「うーん、僕は正直な話、あんまりそう言うのは気にしない、というか――」

「ホントに股間に象さんついてんのか!」

「唐突に下ネタ入れてこないでよ!?」


 だいたい、ついてるから頭に血が上って鼻血が出るわけで。――って、僕は僕で何を考えているんだ!?


「何、体型なら実は、割とどうにかなるのではないか、と思ってな」

「どういうこと?」

「駄狐程ではないが、これでも妖術は扱えるわけでだな。それでもって、幻術も一応使えないことは無いのだ。――ちょっと、目を閉じていろ」

「え、何で?」

「雰囲気だ、雰囲気! そっちの方がなんとなくそれっぽいだろう! びっくりどっきり、と言うヤツだ!」


 強く言ってくるので、僕は言われるがまま瞼を閉じた。確かに、成果を見せる際に、準備から発表することは無いが。

 ――でも、彼女なりに楽しそうなので、それもいいかもと思っている。


「いいぞ」


 合図があったので、僕は目を開けた。


「見よ! セクシーダイナマイツッ!」

「うわぁ――っ!?」


 すると目の前には、子供っぽい容姿を大人にした呉葉がそこにいた。身長は僕より若干高く、そして――なんと言うか、胸がおっきい。

 しかも、その、こう言う場合明らかにおかしなサイズになるのがいつもの呉葉なのだが、意外にも現実的範囲なのが余計に、その、えと、えっと――僕の頬を紅潮させる。

 でも、それとは別に。ええっと――言ってもいいんだろうか?


「ぬはははは! 包容力豊かで母性溢れる、ネオ・ニュー・呉葉様だ! どんな苦しみも悲しみも、温かく包み込んでくれよう! オマケに超・えっちぃぞ!」

「…………」

「む、どうした? 機嫌が良いから、いくらでも愛でてやるぞ?」


 えっと、確かに姿はそれっぽくなったけど、その、


「……――でも、幻術なんだよ、ね?」

「現実に引き戻すな」


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