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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十六章
488/1022

《第487話》『ぼっち系妖怪ネットアイドル・シズカ』

「…………」


 私の名は臓惹。ネットアイドルをしている――まあ、妖怪である。


「~☆」


 普段の重く暗い真っ黒な衣装とは全く異なる、ピンクと白を基調とした明るい衣服。

 縁にフリルのふりふりがあしらわれたそれを、パソコンとベッド、さらにフィギュアや本棚によって尚更狭く見える四畳半の部屋のど真ん中で着る。

いつもは床につきそうなほど長く、そして顔まで覆っている黒髪も、アニメキャラのごとく長い鞭のようなツインテールに。


「~♡」


 知り合いが見たら、「今の」私が「あの」私だとは分からないだろう。あの狂鬼姫でさえ、私自身の妖気が抑えられていれば、初見で気が付かなかった。

 その界隈で知らない者などいないネットアイドル「シズカ」は、今日もブログに写真を上げる。一昨日撮った写真はフォトショで軽く加工し、その後に本日の自撮りをするのだ。

 乗せる記事は主に近況報告。当然趣味も含む。私はお喋りなのでつい文章が多くなってしまうのだが、それを自分の写真含めたいろんな画像で、うまく感じさせないレイアウトに。コメント返信も忘れない。

 さて、上げる分は終わったので、写真を撮ろう。


 先日狂気鬼にボコボコにされた鬱憤を晴らすように、いろんなポーズを決める。はやりのアニメから借用したり、自分でかわいく見えるポーズを研究してみたり。


 旅行狂いのジジイなどよりも。

 カマなことを売りにする地下アイドルよりも。

 アホで方向音痴な大男よりも。

 そして――夫婦生活を営む別に羨ましくもなんともない。羨ましくもなんともない(大事なことなので二度言いました)一応主なアホ鬼神なんかよりも。


 充実した。実に充実した毎日。自宅にの四畳半に引きこもっていても、欲しいモノがいくらでも手に入る時代。

 好きなことをして、好きなカップ麺を食べ、好きなところに引きこもる。こんなに幸せな生き方はない。


 ……………………。


 ――友達居なくても、泣いたりしない。です。はい。


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