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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十五章
484/1022

《第483話》『戻るべき、しかし戻りたくない未来』

「謳葉――」

「ねえ活葉、わたしたちはなんのためにきたの?」

「…………」

「わたしたちは、みらいをよくするために――じゃきのかげを、うまれたそのときにやっつけるために、このじだいへとおくりこまれてきたんだよ?」

「…………」

「だから、わたしたちはかえるべきところへかえらなきゃいけないんだよっ! ここは、ほんらいわたしたちのいるべきじだいじゃないの! かしこい活葉なら、そんなのわかって――、」

「分かるわけないじゃないッ!」

「――っ!」

「確かに私たちは、あの邪気の塊を屠るために送り込まれてきた。それを受けたのは、おとーさんや、おかーさんが死んでしまう未来を無かったことにできると思ったからよ! けど、蓋を開けてみれば何よ!? 未来の結果が増えるだけで、私たちの時代は一切変わってないじゃない!」

「…………」

「そんなの、聞いてない――! 聞いてないわよ! 詐欺じゃない! わたしたちは道摩と邪気の影に騙されたのよ!? 何で、何でそんな未来に帰らなくちゃならないの!? わたし、間違ったこと言ってる!?」


 普段の乏しい表情を崩し、活葉は叫ぶ。

 彼女の言ったことは全て真実。結局のところ、今のこの時間軸では未来の危険は去ったが、それは、本来双子の意図していたことではない。

 しかも、彼女らを送り込んだのは平和維持継続室そのもの。そして、それを操るのは道摩。さらに、道摩はそれを承知で、しかも過去の自分に双子を「つなぎ」として取り込むために送り込んだのだ。


「――そうだな。お前の言う通りだ」


 すると、呉葉は。未来の娘の訴えを見ていた鬼神は、静かに口を開いた。


「ならば、妾もこれからお前たちと共に未来へと赴き、その全てを完膚なきまでに破壊しつくしてやろうか?」


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