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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十五章
480/1022

《第479話》『当たるも八卦、当たらぬも八卦』

「いいか? まず鈴を鳴らし、賽銭を入れてから『二礼二拍手一礼』だぞ」

「えっと、ぺこ、ぺこり、と」

「口で言わなくてもいいわよ」

「え、かくにんしながらやると、どうしてもくちにでない?」

「出ないわ。謳葉程頭は弱くないつもりだし」

「活葉ちょっとそれひどくない!?」


 お辞儀を四人でして、二回掌を叩いて小気味の良い音を鳴らし。そして最後に一礼する。人でにぎわう神社の賽銭箱の前で、樹那佐一家、新年の参拝である。


「流石に、振袖は間に合わなかったね」

「31日に注文して出来上がると思っているお前の常識をかち割りたいぞ」

「見たかったなァ、謳葉と活葉の振り袖姿」


 そんな話題の中心である双子は、渡されたお金を持っておみくじを引きに行った。一回200円、二回分で400円。


「ひーてきたよー!」

「今年の運勢はどうだった?」

「これから見てみるところよ」


 夜貴と呉葉の前で、開けられるおみくじ。先に全てを開き切ったのは、姉の謳葉だ。


「『大吉』! とーぜんだよねっ! ――えっと、なんてかいてあるんだろう」

「どれどれ。『全ての挑戦が実を結ぶ。思いついたことには挑戦すべし』だそうだぞ」

「ほんと!? じゃあかぶのばいばいするー!」

「どこでそんな言葉覚えてきたの謳葉は!? やめときなよ!?」

「さて、活葉の方はどうだ?」

「…………」

「活葉?」


 ビリッと、無言で活葉はおみくじを裂いた。はらりと落ちた紙には、「大凶」の二文字が記されていた。


「おかーさん、200円。もう一度引いてくるわ」

「う、うむ」


 こっそり負けず嫌いな活葉の気迫に押され、呉葉はおみくじ代をもう一度渡した。


 そうして引いた活葉の運勢は「末吉」だった。その顔は微妙に曇った。


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