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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十四章
478/1022

《第477話》『大掃除はお済になりましたか?』

 ここは、病院内にある倉庫。医療機器や道具が仕舞われている、その部屋の一角で、ひそひそとした話し声が。


「けひひひひっ、今度はマヨネーズまみれにしてやるべ――!」

「おい、もう止しとけよ――引き際と言うモノが、世の中には重要……」

「うるさいっぺ! 舐められたままでは、目立たぬ者はただの目立たぬ者に――」


「とうとうつかんだぞー! あくまのよーないんぼーのしょうこをー!」

「何ッ!?」


 そこへのりこむ、わたしたち! どーんといろいろぶっこわして、いちれんのそーどーのはんにんを、このりょうめでかくにんする。


「どこかで聞いたようなセリフね謳葉。でも、遂に見つけたわよ」

「お、お前たちは――!?」

「おとーさんのおねがいどーり! いたずらざんまいのたぬきをとっちめにきた、」

「正義の」

「ししゃだよっ!」


 それにしても謳葉、ノリノリである。わたしは恥ずかしいからやらないけど。――ホントよ。恥ずかしいから、いかにも「びしっ」とか鳴りそうな指さしを、わたしはしないの。


「くっ、だがそう易々と諦めるおらでは――」

「つっかまえた!」

「何ィ!?」


 のんびりやってるあいだに、わたしはたぬきのおんなのこをとりおさえる。ろーやまさんは――まあ、じゃまするきはないみたいだしいーや。


「くっ、かくなる上は――遊! 遊! こいつらをなんとかするっぺよ!」

「アイツならとっくに逃げたよ」

「遊の裏切りものォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」

「あなたが何を言っているのかわからないけど――おとーさんにお願いされた以上、わたしたちには捕まえる義務があるの」


 そうしてわたしは、彼女の使おうとしていたマヨネーズを取り出す。


「な、何をするつもりだべ!?」

「いたずらしてもいーのは、じぶんがされるかくごがあるやつだけー! なんだよっ」


 大晦日。大掃除は、完了した。


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