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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十四章
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《第472話》『熱い犬』

「貴様、何の権限があって妾の夜貴を愚弄した!」

「うくっ!?」


 呉葉が私の胸ぐらをつかみあげたため、息が苦しくなる。華奢で小柄な体躯が、私の足を宙に浮かせる。


「貴様は夜貴をなんだと思っているのだッ! 夜貴はな、貴様なぞとは全く違う次元でモノを考えているのだ! 力の強さだとかそう言うモノとは、全く異なるな!」

「く、呉葉――! 落ち着いて……」


 夜貴が呉葉の腕に触れながら止めると、彼女は渋々と言った様子で私を降ろす。復活した自重によろめき、急に行えるようになった呼吸にせき込んでしまう。


「――しかし夜貴、随分酷い姿だな。パンで挟んだらとてもおいしそうに見える気がするな!」

「ホットドッグになる気は――!」

「おいしそうカッコ性的カッコトジル!」

「まだ昼間!」

「なるほど、夜にいただくホットドッグ♂というわけか――」

「いい加減にしないと怒るよ!?」


 ――と、思ったら。さっきの剣幕などどこへやら。圧倒的な威圧感などいつの間にか失せていた。同じ奴だとは、到底思えない程に。


「もう――っ、藍妃、大丈夫?」

「う、うん――」

「フン!」

「呉葉、何を怒ってるのさ?」


 呉葉は、私と夜貴では「違う次元でモノを考えている」と言った。

 しかし、ハッキリと告げられていながら、私にはその意味が理解できなかった。

 何が違うものか。私も夜貴も、「平和維持継続室」に所属する戦闘員だ。一般の人間に及ぶ脅威、その可能性を排除するのが仕事。恐るべき危険の一部たる人ならざる者を狩りつくすことに、間違いは無いハズなのだ。


「――幼馴染。談話室で少し話すとしようか」


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