表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十四章
472/1022

《第471話》『鉛弾のクリスマスプレゼント』

「はなっ、離しなさいよっ!?」

「嫌だよ――っ!」


 引き金を引くが、照準が定まらずあらぬ方向に穴が空く。その間に、狸妖怪は窓の外へと逃げて行ってしまった。


「っ、夜貴! 何してんのよ!」

「君こそ何してるんだよ藍妃!」

「妖怪の退治に決まってるでしょ!」

「あんな小さな子まで君は手にかけるつもりなの!?」

「ハァ!? あれは妖怪よ!? 人間に仇名す存在なのよ!? 現にアンタだって、酷い目にあわされてんじゃない!」

「ぼ、僕はマスタード押し込まれただけだよ――っ! 死ぬほど口がヒリヒリするけど、命に別状はないよ!」

「うるさいわね、弱っちいヤツは黙ってなさいよ!」


 夜貴のことは大切だ。大切で、そして好きでもある。全肯定しよう。

 けれど、この時ばかりはとてつもなくうっとおしく思えた。なんでコイツは、守られようとしているのにそれを邪魔するのか。


 いつもそうだ。人のこと言えないが、それでも、そんな私よりも力の劣る奴のクセに。


「おい貴様、妾の夜貴に今何を言った?」

「……――ッ!?」


 ゾクッ、っと。私の身体を恐怖が支配した。

 背筋が凍りつく、というのはこう言うことを言うのだろう。後ろから投げかけられた一言。たったその短い言葉が。一瞬にして私を金縛りにした。


「呉葉――」


 それは、目の前で暴れられるよりも。その力の差を私に実感させた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ