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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十四章
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《第469話》『あらびきソーセージはマスタードをたっぷりかけて食す』

「先ほどこそああは言ったが――ふむ」

「夜貴ッ!」

「あ、待て幼馴染!」


 仲間内らしいのに争っている妖怪二匹を放り出し、私は駆けだした。待てと言われて待つなら、ここで走りだしてはいないだろう。

 代わりに、私は後ろへ煙球を投げる。逃げようとする自分の姿で気をそらすことで着弾時に意表を突き、結果として自分の姿を完璧に煙に巻く。


「……――っ!」


 そして、どうやらその目論見は成功したようだった。奴らは、私を追ってこない。


「ガラスは漏れなく外に割れているみたい、ね」


 病院内に入ると、突然の事態に人々は混乱しているようだった。しかし、内側へと破片が向かなかったためか、誰一人として刺さったヒトはいなさそうだ。パニックによる怪我はさておき。


 夜貴を特別視して相手が襲ってくることは無いだろう。しかし、それでも足は自然と夜貴の病室へと向いていた。途中、怪しいヤツが居ないか見回しながらではあるが、大切な幼馴染の元へと、私は走る。

 何故なら、あの馬鹿は自分が無力であるにもかかわらず、そして、大けがを負っているにもかかわらず、この事態を見過ごそうとはしないだろうから。文字通り、我が身顧みずなアイツは、本当に自分が危うくなっても逃げないだろうから。


 そうして私は、夜貴の病室にたどり着いた。


 そこでは、夜貴が小学校高学年サイズの女の子に、チューブマスタードを押し付けられていた。


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