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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十四章
467/1022

《第466話》『妖怪が、人間の世界に入り込むことそのものが罪である』

「このっ、野良妖怪――っ!」


 私はスカートの下からショットガンを取り出すと、押し寄せてくる黒髪の津波に向けて打ち込んだ。だが――、


「避けた!?」


 まるで蛇の集団が蠢くように、散弾を髪の毛が避けた。というか、どうしたら散弾なんて避けられんのよ!?

 そうやってまごついている間にも、黒い女の攻撃が迫りくる。思わず髪を狙ってしまったが、本体を狙うべきだった。


「全く、平和維持継続室の戦闘員はこの程度か!」


 黒い津波にあわや飲み込まれる、と言ったところで、私の視界を炎が覆った。舞い踊る高温のそれが、髪の束を焦げた羽のように散らせた。

 その炎からは、強烈な妖気を感じる。有無を言わさず叩き潰すような、力強い妖力。

 それは、並大抵の妖怪ではあり得ないような、押しつぶすほど濃密の――、


「くくっ、懐かしいなァ静菱! お前と相対したのは、いつのころの話だったか!」

「…………」

「何? 大正だろう!? 明治は既に終わっていたハズだ!」


 妖怪――ふさわしい、ふさわしくないどころではなかった。

 人ならざる者。妖怪は、人類の敵だ。奴らは、人々に害をもたらし、不幸を呼ぶ。決して相いれることのない、邪悪な存在。

 平和維持継続室には、味方する人ならざる者も所属しているという。しかし、私からすれば、そんな例外扱いの奴らですら信用できない。


 そんな妖怪の一匹と思われる、この呉葉と言う女。


 きっと、夜貴は騙されているのだろう。こいつがひ弱な夜貴をどうするつもりかは知らないが、それを見て見ぬフリは出来ない。

 ――私が、夜貴を守らなくては。


 私は、呉葉の背中にショットガンを突きつけた。


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