《第463話》『夜貴と言う、一人では何もできない無鉄砲を任せられる者は――?』
「そっち、何か分かった?」
私は、自分の手を止めて呉葉に問う。――正直、期待しては居ないが。
「ふっ、妾が遊んでいただけだと思うなよ幼馴染」
「――っ、この自信満々な態度は……」
正直、私の方で分かったことは大したことではない。少なくとも、怪人の仲間を特定するようなモノは見つからなかった。
だから、私とは違う方法で調べているコイツをアテにしたいのだが、
「うむ。ゲーム&ウォッチを見つけたぞっ」
「だから手がかり探せェ言っとるやろがいッ!!」
この茶番、果たしていつまで続くのか。
「ど、怒鳴らずともよいだろう――? ほら、『エ○セリオン』も見つかった! 『SG-1○00』のカートリッジだぞ!」
「知らない単語並べんな! ガラクタじゃなく、もっと他のを見つけなさいよ!」
「ガラクタとは失礼な!」
「手がかりは!? 手がかりはどうなのよ!」
「むぅ、手がかりか――」
そう言って、呉葉は一時顎に手を当てて考えはじめる。その時間、僅か三秒。その短い時間の後に開かれた口から、返答が返ってくる。
「ないっ!」
「よし、殴る!」
駄目だ。こんな不真面目なヤツが夜貴の傍に居ては。
私は、この呉葉と言う女をそう結論付けた。




