《第460話》『世の中、ちょっと探せばおかしいことはたくさんあるらしい』
「というわけで、妾は行ってくるぞ。いい子にして、待っているのだぞ二人とも」
「むぅー、わたしもいきたいよぅ」
「ダメだ。お前たちにはお前たちで、役目があるからな」
「役目――?」
元の病室が荒らされたために別の病室に。上体を起こした状態の夜貴に、私と呉葉は「出かける」ことを告げた――のだが。
呉葉と、それによく似た女の子二人。性格は全く異なるようだが、夜貴のお嫁さん、そして子供たち――まさか、と思うが……。
「うむ。夜貴は怪我をしているからな。いつまた、襲撃されるとも限らん」
「つまり、おとーさんをまもってあげるのが、わたしたちのやくめね!」
「なるほどね。任されたわおかーさん」
おとーさん! おかーさん! 予想的中! というかいつの間にこんなに大きな子供が!? 全てのことが早すぎない!?
「夜貴。夜貴。謳葉と活葉のこと、頼んだぞ?」
「それはいいけど、ホントに行くつもり?」
病室内で何やら勝手にはしゃぎ始める子供たちを見守りつつ、二人は内緒話。むむぅ、妙に様になっている――。
「当たり前だ! あれだけコケにされて、黙っていられるか!」
「ま、まあ、程々に、ね――?」
そう言って、私、静波多 藍妃と、呉葉はこの奇妙な事件の解決へと動くこととなった。
ぶっちゃけ、状況に流されたようなところはあるが――丁度いい。
この女が、夜貴にふさわしいのか。見極めたくなったところだ。




