表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十四章
460/1022

《第459話》『これは白鳥ですか? 違います、これはアヒルです』

「おっまえーっ!? どうしておら達の存在をほのめかす発言をォ!?」

「ざっと いず 王道」


 おらは遊の襟首をつかんでガクンガクン揺する。が、相変わらずこいつは無表情で、しかし、なぜかピースサインをしている。


 デカい顔をしている奴らが気に食わなかった故、出る杭を打つ目的でイタズラを仕掛けたのに、これではこちらに危険が及ぶ。そんなことは想定していない。


「ふうり、だったよな――?」


 頭を抱えるおらに、背後からかかる声。その若干かっこつけたような声色で、すぐに誰か分かった。


「んむ? そういうあんたは狼山だったべな? こいつの保護者の」

「遊の保護者――は、まあ、間違いないけどな。それはともかく、こいつに言う事聞かせようって言うのが、そもそもの間違いだぜ……?」

「くっ、おらは既に深い絆が結ばれたモノだと――っ」

「逆だ、逆」

「うな――? な゛!?」


 振り向いた時、そこにいたのは狼山 俊也だった。それは間違いない。

 しかし、おらの目に映ったその姿は――、


「遊は、相手を気に入れば気にいる程、嫌がらせしたくなるいらん嗜虐心に溢れた奴なんだよ」

「アヒル山!?」


 バレエ衣装、そして股間から生える白鳥――ではなくアヒルの頭。最後に見たのはモノの数分だったはず。しかし、その僅か前のような黒いロングコートの男の姿はどこにもない。

 狼山改めアヒル山は、しかしその相変わらずな態度を変えることなく、いかにも慣れた様子で口を開いた。


「こうなった思誓 遊は、もはや手が付けられねぇ。トリック・バーサカーに話かけた時点で、こうなることは確定事項だったんだよ」


 そのセリフはカッコよかった。アヒルバレリーナの姿でなければ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ