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《第454話》『大トリを務めたるはトリプルコンボ』
地面に倒れる怪人。爆風であっという間にボロボロになったそいつは、そのままピクリとも動かない。――あと、割と至近でぶっぱなしたにもかかわらず私たちが無事なのは突っ込んではいけない。
「――どうやら、退治できたみたいね」
「う、ううん、結局何がしたかったんだろう、この怪人――」
「知らないわよ。全く――私、今日は非番なのに」
ひとまず、コイツをこのままにしておくワケにもいかない。処理班に連絡し、片づけてもらわなくては。
そう思い、私はポケットの中から携帯電話を――、
『卑怯卑劣極まりなく、卑屈になるまで追い詰めるのがこのワレだ』
「――っ!?」
背後からの声に、私と夜貴はばっと振り向いた。
「う、嘘――!?」
『どうした? 驚きの余り踊ることすらできぬか?』
『ならば怪人冥利に尽きると言うモノ、奇々怪々でまさに開眼できたのだから』
『だが驚愕に浸る時間も今日のこの瞬間に終わる。なぜなら――、』
そこには、
『『『怪人トンマロクの怪奇事件に、安い安らぎなど存在しないからだッ!!』』』
怪人が、「三体」にも増えて宙を舞っていたのだから。




