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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十四章
451/1022

《第450話》『昼間に覗く闇夜の空』

『クカカッ! 追いかけっこ鬼ごっこか! 面白い、どこまでワレから逃げられるか楽しませてみるといい!』


 病院の廊下を、宙を舞いながら追いかけてくる怪人は、はためかせていたマントをばっと広げた。

 するとその中から、無数の「たい焼き」がまるでミサイルのように飛んでくる。その勢いたるや、まさに弾丸。直撃すれば破裂した生地から、周囲にあんこがばら撒かれるであろう。


「というか、食べ物粗末にするのはどうかと思うわよ!?」

『クカカカカッ! 怪人にアフリカの食糧事情は関係無いのだ! 貧民どもよ、憤怒の眼差しを持ってワレを怨むがよい!』

「誰が貧民よ! というかアフリカでもないし!」


 まるでこの怪人、意味が分からない。牽制のため、振り返って時々拳銃をぶっ放すが、まるで闇に飲みこまれるように吸収されてしまう。そのクセ、飛びだしてくるたい焼き(なぜか時折たこやきが混ざっている)は無尽蔵とも言えるほど無限に出てくる。


「っ、く、痛――ッ」

「ッ、夜貴――!?」


 しまった。逃げるのに夢中で、夜貴の傷のことが頭から吹き飛んでいた。

 大怪我だったというし、これで傷が開いたら一大事。とはいえ、立ち止まっていたらあの怪人にトンデモないことをされてしまう。


 ――普通に逃げるのは、難しいと判断すべきか。


「だった、ら――ッ!」

『クカッ!?』


 私は、怪人と自分達の間の床に、煙球を投げつけた。一瞬の間に、騒ぎで混乱の起こっていた病院の廊下に、視界不良にするスモークが焚かれる。


「夜貴、今のうちよ――!」

「う、うん――」


 こうして、私たちは怪人の魔の手から抜け出すことに成功した。

 全く、アレは本当に何なのだろうか?


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