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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十三章
419/1022

《第418話》『僕の、大切な――』

「それを言うならば、そこな邪気に操られし鬼神の方が厄介であろ――っと、と、危ない危ない」


 尻尾は、道摩だろうが鳴狐だろうが謳葉だろうが活葉だろうが、そして僕だろうが、見境なく襲い掛かってくる。ついには、お得意の空間跳躍まで活用して

 道摩もそうだが、今の呉葉もまた、周囲に危険を及ぼさないとも限らない。あらゆる意味で、このまま放っておくわけにはいかないのだ。


 けど、いったいどうすれば彼女を止められる。何の力もない僕に、出来ることは――、


「樹那佐 夜貴ッ! 何をぼさっとしておるのじゃ!」

「――っ!」


 呪われし呉葉の尻尾の一本を受け止めながら、鳴狐は僕を怒鳴り付けた。


「貴様ごときに何が出来るかなどしらぬが、迷っているヒマなどないじゃろうが! 貴様は狂気鬼の夫なのじゃろう!?」

「っ、鳴狐――!」


 空間を割り裂いて、鳴狐の背後から尻尾の一本が襲い掛かる。一つを剣で止める彼女に逃れる術はない。

 ――が、鳴狐は九つの尻尾でその一つを受け止め難を逃れる。


「まず早く、あやつを何とかしてほしい――! あのまま、では……っ」


 ――彼女の、言う通りだった。こうして迷って、立ち往生している間にも、呉葉は苦しんでいるのだ。

 呉葉のことだ。多少の覚悟の上で、殺生石を使ったのだろう。一人で解決できるという過信。僕らの心配を聞きながら、それでもボクを含めた大切なヒト達を守るためにその道を選んだ、僕の愛する鬼神。


 助け合いは、夫婦の基本だ。


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