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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十三章
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《第403話》『崩壊』

「なに!?」


 突然震動する地面。鳴り響く爆音。謳葉と活葉が連れ去られてすぐ後に起こったそれに、僕は振り向かずにはいられえなかった。


「遠くの方で、何やら爆発が起こった様じゃ、な」

「爆発――しかも、あそこは……」


 僕の視線の先では、高層ビルがバラバラになって崩れ落ちていく真っ最中だった。

爆発自体は根元の方で起こったのか、下方から粉塵が撒きあがっているのに、横に倒壊するでなく、瞬く間に落下しながら無数の瓦礫と化していく。

それは間違いなく、周囲の企業に混じって偽装された平和維持継続室の本部だ。一度この場所で集合した後、あそこへ向かうはずだった。


「微弱じゃが、狂気鬼のヤツの妖気もここまで伝わってくる。方向的にも、あの場所で間違いないじゃろうな」

「呉葉――!」


 まともに考えて、呉葉がビルを自らの手で破壊する、などと言う事は考えられない。何らかの理由から行うにしても、周囲への被害が少なくなるよう配慮はするはずだ。

 しかし、よくわからない。なぜ呉葉が一人であんなところに。そもそも、一体何が起こっているんだ。


「――考えている暇は無いじゃろう。何が起きているかは、行ってみればわかる」

「っ、そ、そうだね――! でも……、」


 しかし、今すぐ駆けていきたいところだが、サンジン・ショコウは結界を解いて行かなかった。僕らは今、まだ閉じ込められている。


「お、お願い、お願いだよ鳴狐――! この結界を……っ」

「余とて、早くこんな息苦しい場所からは脱出したい。――しかし、さっきのアレは、身体に負担が大きくて、のう。未だ、持ち直せてはおらぬ……」

「そんな――」


 呉葉のことも、そして謳葉や活葉のことも。どっちも気がかりで、しかし、指を咥えて見ている他ないのが今の惨状だった。一体どうすれば――、


 ――その時、何かを叩きつけるような音と共に、結界が破壊された。


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