《第401話》『必殺にして絶対の一撃』
「く、くくく――っ! ざまァみろ道摩! もはや、何もかもが品切れのようだぞ!」
最後になる刃のビットを、妖力を込めた腕で握り潰し、脳ミソへと威勢を張る。
三体の魔神、追加は無いと思っていたら五体程導入され、しかしそれさえもスクラップにし、終わりがないと思われたファンネルモドキまでもを弾切れになるまで撃ち落とし、それらの残骸のど真ん中に立つ妾は、全身傷だらけながらも勝利を確信した。
『シールドの展開された私に、あなたは手出しができませんでした。よって、いかに機動兵器を破壊しても、あなたの目論見が達成される確率は0%です』
「ふん、それはどうかな?」
確かに、あのバリアはどれだけやっても打ち砕けなかった。兵器共を片付けるその隙間を縫って攻撃を加えたが、ビクともしない。
当然、全力でぶつかる余裕はなかったが――妖力全開で殴りかかっても、恐らく破壊は不可能。この強烈な防護、全く感心せざるを得ない。
――しかし、それはもはや過去の話。
「こうして余裕ができた以上、策はいくらでも打ちようがあるのだ」
妾は拳を握り、ありったけの力をそこに込める。
すると、何やら危険を察知したのか、周囲の壁で機械が動作する音が聞こえ始めた。
直後、霊力を固めたビームが射出される。――だが、遅い。
「いかに全身傷だらけ、片腕はちぎれてしまったのかと錯覚するほど感覚がないほどの重傷であっても――!」
跳び上がり、回避。全ては、これで決する。そして――、
「守るべき者がいる妾に負けは無い――ッッ!!」
金属の床へ、必殺の一撃を叩きつけた。




