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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第一章
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《第三話》『逆ミディアムウェルダン気味』

「た、確かに、中まで火は通ってるんだけど、ね――」

「うむぅ、どうしてこうなった――」


 呉葉は自分の分のステーキも切り開いて、中身を確認する。

 ――モノのみごとに真っ黒である。


「すまん。代わりの何かを用意する」

「あ、いや、大丈夫だよ――割と大丈夫な範囲多いし。外側の部分は割とイケそう……」

「しかし、料理というモノはなかなかに難しいな」

「どうして鬼火使おうとしたのさ――」


 鬼火とは、妖怪を始めとした超常的な存在が、これまた超常的な力で作りだすエネルギーの塊だ。特に、鬼の中でも高等レベルな呉葉なら、そこそこ自由自在に操ることが可能だろう。

 だが、料理に使おうと思ったのは、おそらく彼女が初めてだろう。


「理由は簡単だ。ガス台よりもこちらの方が使い慣れている」

「――でしょうね」

「夜貴は知らんだろうが、昔は敵を屠るのさえ手の下し方に無駄に気を使ったものでな?」

「ふむふむ?」

「外側は綺麗な状態のまま、中身だけを焼いて殺すという方法を妾なりの個性、芸術センスとし、それを極めようとしたりもしたのだ」

「な、何とも猟奇的なご趣味ですね――」

「火力は押さえていたが、ついその時のことを思いだしてしまった」

「――で、今回はその時の気分のまま鬼火お肉に使っちゃった、と」

「うむ」

「…………」

「…………」

「このお肉は君の敵じゃないよ?」

「――猛省する」



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