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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十三章
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《第397話》『一尾』

「あひゃひゃっ! ほざきなよ!」


 遠隔機動兵器10基が本体から拡散し、逃げ場をなくすように鳴狐を取り囲んだ。そこから、一気にガスが噴き出してくる。

 先ほどから、鳴狐もこれに苦労させられていた。彼女はそのたびに尾から突風を巻き起こし払い飛ばしていたが、その隙をつくように金属の化け物は狙ってくるのだ。


「芸が、ないのう――ッ!」

「っ、無茶な!?」


 だが、あろうことか鳴狐は、そのガスを無視するかのごとく、剣を突き出してサンジン・ショコウへと突っ込んだ。


「オロか、ねぇ!」

「ぐ、ぎ――っ」


 真正面から飛びこんで来た鳴狐を、サンジン・ショコウはその豪腕で叩き伏せた。直撃。砕け散る地面。


「――ッ!!」

「アハハハハハハッ! 今度こそ、オシマイね!」


「貴様の弱点、教えてやろうかのう?」


「何――ッッ!!? が……ッッ!!」


 サンジン・ショコウの背後に、藤原 鳴狐が出現。金属の背中に、深々と剣を突き立てる。

 ――彼女の姿が、何か違う……?


「貴様は逐一慢心し、こちらをいちいち煽りよる。優勢に立った途端、調子にのる癖があるのかえ? 隙ができるぞ?」

「っ、ワタシに、そんなモノあるはずが――!」


 自律機動兵器が本体の元へと戻ってくる。鋭い切っ先で、大妖狐を狙わんと。

 そしてそれは、生身の身体を至る箇所から貫いて――、


「確かに、並大抵のヤツでは入り込めぬ、針の穴も同然の隙じゃ。この10本の刃の感覚のように」


 サンジン・ショコウの背後で、鳴狐が霧散する。本隊に突き刺さる自律機動兵器。いつの間にそこにいたのか、金属の化け物、その正面で剣を構える九尾の狐――、


 いや、違う――!?


 何が違うのかと思えば。九つあった尻尾が、僅か一本にまで減っていた。


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