《第391話》『三乗の戦闘能力』
「何ともまあ、随分やぼったい名前になった上にデカくなったもんじゃのう?」
体高、目測3mほどだろうか。「サンジン・ショコウ」と名乗った、三人の合体した姿。
――というか、ロボットだったの!? どこがどう接合して今の姿になったのか、皆目見当つかないけど!
『オオきくナっただけだけじゃないわよォ~?』
「はんっ! 図体が膨れ上がった分、トロくなったのではないかと心配しているのじゃがな?」
『あらん、タメしてミるぅ?』
「やってみろ!」
鳴狐が煽った途端、サンジン・ショコウの姿がかき消えた。
「――ッ!」
鳴狐の背後に、その巨大な金属の身体が足を降ろす。
――狐の大妖怪の頬から、つーっと赤い血が垂れる。
「藤原 鳴狐!?」
『アハハハハハハハ! わざとハズしてあげたんだけれど、どうかしらん?』
「フン、だから敢えて棒立ちしてやったまで、じゃ」
『ヘらずグチをォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!』
サンジン・ショコウの背中から、十にも上る数の刃が飛び出した。それらは巨大なマシンの周囲を取り巻くように浮遊し始める。
「フン、貴様がその気であるならば、余もそろそろ本気を出してやろうかのう。後悔するなよ、鉄屑ども――ッ!」




