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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二章
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《第三十七話》『疑惑の――』

 いやいや、まさか、そんな。夜貴に限ってそんなことあるはずがなかろう。最も信頼すべき相手を疑うとは何事か。

 そもそも、妾と夜貴はまだまだ新婚と言ってもいいほどだ。長年連れ添った夫婦には倦怠期と言うモノがあると言うが、それが来るにはまだ早い。というかどれだけ経とうが来てたまるか。

 だから、我が素晴らしき夫、夜貴が、そんな他の女に現を抜かすことなど――、


「そ、それじゃあ、僕ちょっと買い物に――」

「ちょぉっと待てェい!?」

「な、何――?」

「どうして突然買い物に行こうとする!? いったい何を買いに行くというのだ!?」

「えっ!? え――あー……あー、あー」

「あーあー言ってるだけでは分からんぞ!」

「べ、別に対したモノを買うわけじゃないよ。ただちょっと、頼まれていたモノを今思いだして――」

「頼まれたモノとは何だ!」

「え、ええっと、その、ええっと――」

「エロ本か!」

「どうしてその推測に至ったのかものすごく気になるよ!?」

「ならばいったい何だというのだ!」

「え、えと、その、なな、何でもいいでしょ! プライバシーだよプライバシー!」


 なるほど、どうしても言いたくはないらしい。おそらく、このまま聞き続けても埒が明かないだろう。

 ――と、なれば。


「――まあいいだろう。行くがいい」

「えっ、いいの?」

「別に、ただの買い物なのだろう? であるならば、わざわざ妾が付いて行く必要はあるまい。――本当のことを言うと、ずっと共に居たいがな」


 妾がそう言うと、夜貴は思案顔になる。が、すぐに得心言ったように頷いた。


「――分かった。それじゃあ行ってくるよ。夕食は多分いらないくなるから! もしかしたら日をまたぐかもしれないし、先に寝てていいよ!」


 嘘、下手!? 何故買い物で日をまたぐのだ!? ――まあいい。


「それじゃあ、行ってきます!」

「うむ、行ってくるがよい」


 そう言って、夜貴はいろいろ準備をしてから。家を出て行った。――さぁて、


「後をつけるか」


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