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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十三章
379/1022

《第378話》『伸ばされる手』

「――零坐さん」

「ぎくっ!」


 何を問いかけてもまともに返事が帰ってこないので、流石におかしいなと思い。零坐さんなら何か知っていると話しかけたら、妙な反応が帰ってきた。


「あのー、零坐さん?」

「知りませぬ! わたくしはなァんにも知りませぬ!」


 ――怪しい。すっごく怪しい。

 この適当な、投げやりの呉葉の返事。あらかじめ決められてそれを返すだけのような、そんな様子。そして、零坐さんのこの慌てよう。


「零坐さん、この呉葉――」

「そうなのです、呉葉様が作って置いて行った人形なのでございますゥ!」


 ――僕が言う前に、自白されてしまった。

 …………。

 ええっ!?!?


「呉葉様は、自分一人で解決すると言って、気が付かれるまでの時間を稼ぐために、自らのダミーを置いて、お一人で――」

「つーん」


 っ、全くもう! 呉葉は!

 あれほど一人では駄目だ。みんなで力を合わせて、全員無事で終わろう。そう、あれほど言ったのに!


「ど、どこへ行ったの――!?」

「正確な場所は一切告げられては――」

「う、うう――ッ」


 連れ戻そうにも、場所が分からないのでは話にならない。僕は呉葉と違って感覚は人間の範囲を逸脱していないのだから。

 ――いや、もしかしたら、謳葉や活葉なら……?


「謳葉! 活葉! 君たちなら、呉葉を――」


 そう思い、振り返ったその時だった。


 佐藤さんが。鈴木さんが。高橋さんが。ウチの大切な子を取り押さえる瞬間を見たのは。


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