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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十三章
378/1022

《第377話》『つーん』

「もうっ! いーかげんにしてよ、おとーさんもおかーさんも!」

「――っ!」


 謳葉が地団太を踏み、地面が少し揺れる。ちょっと転ぶところだった。


「こんなふうにいがみあってるときじゃ、ないんだよっ!」

「そ、それは、わかってるんだけ、ど――」

「わかってないっ!」

「――っ!」


 ずしん! と、さらに直下型震度5。こんなに可愛らしい容貌でありながら、そのパワーは流石呉葉の娘――。


「謳葉、少し落ち着きなさい」

「うーっ!」

「やりすぎると、地盤を刺激しすぎるわ。――でもまあ、謳葉の言うことも全くもってその通り。協力するつもりはあっても、不仲な状態じゃ、いつそれが大事な場面で転ぶ原因になるか。分かったモノじゃないわよ」


 改めて言われなくとも、そんなのは分かっていた。分かっている、けども。だけども。どうにもならないことが、大人にはあるのだ。


 ――けど、


 僕だって、このままずっといがみ合ったままでは居たくない。脅威への対抗とか、そんなモノ以前に。夫婦として、円満な間柄を続けたいのだ。


「――うん、分かったよ。僕なりに、呉葉と話してみる」


 謳葉と活葉にそう言って、僕は意を決して呉葉の元へと歩き寄った。心配なのか、二人は僕についてくる。


「ねぇ、呉葉」

「つーん」

「その、あの、僕の話を――」

「つーん」

「――呉葉のゲーム、全部捨てちゃうよ」

「つーん」

「…………」

「つーん」

「――何か、様子おかしくない?」


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