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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十三章
366/1022

《第365話》『暗き気は下に溜まり落ちる』

「――なんだ、ここは?」


 妾が窓から侵入したそのビルは、一見するとただのオフィスビルだった。並ぶデスクも、何もかも、まさしく世間一般的なイメージのそれであり、今の光景は一切違うことが無い。

 しかし、妾が違和感を感じたのは、そこに誰もいないと言う事実だった。

 平日の真昼間であるにもかかわらず、明かりをつけずに、しかも人っ子一人いないし、ビルの全てからも気配は感じない。


「お化け屋敷などと言うパチモンの、何倍も恐怖感がある、な」


 ただ漂っているのは、邪気の影の気配のみ。この薄暗い中、怖気の走る空気感だけと言うのは、正直耐えがたい苦痛である。


 ――そんな闇の塊が、移動している。このビルの階下、階下へと。


「全く、どこまでも妾を苦しめおって――ッ」


 ぶっちゃけ、苛立ちは頂点に達している。

 気味の悪い建物内を、そして何より今は妾の苦痛にしかならぬ暗き思念を。それらを全てまとめて振り払うかのごとく妾は拳を振り上げ――、


「いい加減にしろォッッ!!」


 高層ビルの一階まで突き抜ける程の力で、床を殴り貫いた。


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