《第三十四話》『この鬼は本当に古き力なのか?』
「い、いや、妾は鬼だぞ、古来よりこの国に存在する『狂鬼姫』ぞ! 現代の人間社会に慣れることは悪くは思ってはおらんが、鬼神としての誇りは捨てておらん!」
「お好きな飲み物は?」
「うむ、インスタントコーヒーだな。手間をかければ本格的になるところや、そのままお湯を入れた時の安っぽい香りが割と好きだ」
「好きな食べ物は?」
「基本的に何でも食べるのだが――そうだな、最近のお気に入りはラクレットだな」
「――夕食に出たことあったっけ?」
「ぎくっ!? あ、い、いや、うまそうだなー、と! 他には、そ、そうだな、ハンバーグはよく作るだろう! アレも最近のお気に入りだ! あとアイスクリームだ。コーラ味がいいな!」
「――最近熱中してることは?」
「テレビゲームだ。特に嵌っているのはFPS系だな。しかし便利な時代になったモノだ。通信のための機械さえあれば、世界中の誰とでも戦えるのだからな」
「ちなみに、テレビゲーム知ったのいつ?」
「十年ちょっと前に、ゲーム機とセットで献上されて、それがきっかけだったな。ちなみに、それもマイナーではあるがかなり人気の高かったFPSだ」
「誰だよそんなの献上したの――」
「ああ、それと最近はドライブも好きだぞ。――牙跳羅は今修理場にいるがな。ゆくゆくは、サーキットなどにも行ってみたいところだ。ゲームのようにうまくはいかんだろうがな。だが、妾的に最速かつ初心者でも安心して扱える安定感のあるスポーツカーだから、充分なドライビングができるかもしれん」
「好きな動物は?」
「猫!」
「あ、それは割と普通――」
「あとコモドドラゴン! 名前がなんとなく可愛らしいだろう!」
「凶暴な大型爬虫類だよっ! 毒があるよ! 決して永遠の子供とかそういうんじゃないからね!?」
「なぬっ! ――ならば、エリマキトカゲはどうだ?」
「ブームは昔だけど呉葉が言うには――というかさ、呉葉!」
「な、なんだ――?」
「やっぱりどっぷり肩まで現代人じゃないか!」




