表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十二章
343/1022

《第342話》『その暗雲は現か幻か』

 呉葉がまとめた話の中で、平和維持継続室の室長は、未来のことを何らかの方法で知っている、と言うことを聞いた。

 ならば、僕が聞くべきことはこれだ。


「その『UN-00109255』を撃破するにあたり、その戦力は充分なのでしょうか?」

『対象の衝突予定時刻での能力における戦力と、私が選別した人員、さらにそこに狂鬼姫、さらに彼女が用意した人員が加わった戦力を比較した場合、勝率は100%と断定します』

「…………」


 勝率100%。すなわち、それは必ず勝てる、と言う事だ。そんなこと、小学生でも理解できる。

 だが、何か僕は引っかかった。錠剤を水で流し込んだはずなのに残っているような、そんなどうにも釈然としない気分。


「――人間の、と言うより、人ならざる者に対抗する組織と、そんな人ならざる者達の集団が、うまく共闘なんてことができるのでしょうか?」

『私の用意する人員は充分な信頼が置けます。また、狂鬼姫はかつてより幾ばくか衰えていますが、それでも充分な統率力があります。私が導き出した計算は、予想される互いの敵対意識を考慮した結果によるモノです。その上で起こる誤差を含めた上で、確率は導き出されています』


 そうは聞いても、このもやもやとした気分は晴れる様子はない。

 勿論、これまでずっと続いてきた平和維持継続室の系譜の、その一時代を破綻という破綻の無いまま動かしてきた道摩室長。

 一方、長き時の間、非常に多くの妖怪の長として努めてきた上に、そのカリスマ性(普段はか今も見せることは無いが)を持つ狂鬼姫・呉葉。

 この二人がまとめ上げることに、その手腕に、疑うべきところはない。そのはずなのだ。


 ――けれども、それでも。


 正体の読めない何かが、周りを包んでいる気がして、このままではよくないことが起こる。と言った予感が、拭いきれなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ