《第337話》『鬼神、敗北する』
「っ、別に、妾は一人で解決しようなどとは思っていない!」
「確かに君は、倒すための人員を集めているって言ったけど、それは共闘するためじゃないよね?」
「――っ!」
「君はこう考えて、人を集め、呼びかけを行っているはずだ。自分が万が一しくじってしまった時の準備をしておこう、ってね」
いかに妾とて、いきなり声をかけて人員が集まり、しかも統率が取れるなどとは考えてはいなかった。だからこそ、本来の歴史よりも早いうちから戦力を整えておこうと、呼びかけを行っていたのだ。
「でも、既に綻びが生まれていることを、気が付いてる?」
「ぐ、む――」
「もしこれで君が失敗して、そして死ぬことにでもなったら、この娘たちは生まれてこなくなるんだよ? 君が守りたかったものって何? 君は今誰の何なの? 君はなんのために戦おうとしてるのさ?」
「くっ、う、うぅ――ッ!」
夜貴は、次々と言葉を並べたてる。それに対し、妾は一切の反論ができない。否、反論する隙すら与えてもらえなかったと言うべき、か――。
だけども、けれども、だ。なにも、そこまで――っ、
そ、そこまでっ!
そこまで頭ごなしに責めるように言わなくったってよい、よいで、は――っ!
「うわぁーーーーーーーんっ!! 夜貴のおたんこなすーーーーーーーーーーーーっ!!」
――よ、よいではにゃいかぁ……、




