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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十二章
332/1022

《第331話》『虫の知らせ』

「呉葉が、困ってる気がする」

「えっ?」


 根拠のない虫の知らせ。病室で一日待機を言い付けられた僕のそんな一言に、お見舞いへと来てくれていた藍妃が反応した。


「呉葉って――アンタの奥さんだっけ?」

「うん」

「――アンタもまあ、思いきったことをしたわね。そんな若さで結婚なんて」

「藍妃、それ前も聞いた気がする――」

「で? そのお嫁さんが? 何? どうしたって?」

「な、なんだか、急に不機嫌になったね――?」

「べっつにー? そんなつもりないけどー?」


 さっきまで、藍妃は妙に上機嫌で近況を話していた。しかし、僕が呉葉のことを口にしただけで、突然これだ。

 もしかすると、彼女は呉葉のことを嫌っているのかもしれない。それは残念ではあるけれども、そりが合わない同士と言うのはどうしてもあるし、仕方無い。

 けれども、気になってしまうものは仕方ない。


「――ちょっと心配だなぁ。呉葉、一人でかかえちゃうところがやっぱりあるし。明らかにムズカシー顔してたのに、『心配するな』とか言ってたし」

「そんなに気になるなら、電話かけるなりなんなりあるじゃん」

「いやいや、多分こう言う時は電源切ってると思う」


 いつも抜けているところがあるとはいえ、流石にそう言うところに抜かりはないだろう。いや、そもそも切っていなかったとして、電話に出る、なんてこともないだろうが。


「うーん、そうだなぁ――だったら、」


 僕は、何とか呉葉と連絡が取れそうな方法に思い至り、自分の携帯電話を手に取った。

 かける先は僕が普段努めている事務所。誰かに、間を取り持ってもらうのだ。


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