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《第328話》『双子の見る未来』
「――ふたり、そっくり」
「うん?」
「私達、双子なのよ」
「――ちがう」
「うん?」
「ふたり、くれはに、そっくり」
「え、あー、ええっと、それは、ね――?」
「わたしたち、みらいからきたおかーさんのこどもなんだよー!」
「っ、ちょっと、謳葉!」
「え?」
「それをバラしていいのは、おかーさんだけよ!」
「えっ、あ――」
「――けされる?」
「け、けさないけさない!」
「そう言う命令は……一応受けてはいないわ」
「――どうして、このじだい?」
「えーっとねぇ――」
「謳葉」
「あっ、あー、うーん――」
「全く、少し油断するとすぐ忘れるんだから」
「――よたかにも、そっくり」
「えっ、おとーさんにも!?」
「――もはや突っ込まないわよ」
「いろいろ、みらいはぴんち?」
「――そうね。許可が無いと詳しくは話せないけど」
「そう」
「でもだいじょーぶ! わたしたちとおかーさん、それにおとーさんがなんとかしてみせるから!」




