《第321話》『タイムトラベル』
「それを踏まえて、妾はお前たちのこれからの行動について問わねばならぬ――そうすることを、お前たちがどれほど嫌がろうとも」
「――どうして?」
「妾が、お前たちの母親だからだ」
「――っ、」
「もし妾の見ていないところで、さらなる危険な道へと足を踏み入れようとしているのならば。妾は止めなくてはならぬ。それゆえ、問わずにはいられないのだ」
真実を理解した今、さらに手を打つとなればさらに危険なことになるのが目に見えている。親として、それはどうあっても止めねばならない。
「それでも、わたしたちは、あれをとめなくちゃならない、の」
「ならば、せめて妾と初めて会った時にまで戻れぬのか? そうすれば妾とお前たち二人ずつ、いや、さらに今のこの瞬間の妾も含め、6人であの邪気の影を討伐しに行けるのではないのか?」
「――イヴ曰く、同じ人間が同時間軸に現れると、意識が統合されるらしいわ。だから、どうあっても私達が増えることは無いわ」
「そうか――」
「えっと、しっぱいしちゃったときは――、」
「一度、元の時間に戻らなければならない、と言う予定になってるわ」
なるほど、一度作戦を練りなおす、というわけか。
――ふぅむ、
「――よし、決めたぞ」
「おかーさん――?」
「今のうちに探し当て、とっとと倒してしまおう」




