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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十二章
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《第315話》『邪気の影』

「貴様、夜貴――ではないな? 何者だ?」

「コノ流レデソノ問イハ流石ニ愚カデハナイカ?」

「貴様は、この場に充満しているのが妾の邪気であると言った。それがどう言う経緯でここに封じられていたかは知らぬが、それが貴様自身であるようには、とても思うことができぬ」

「ナルホド、タダノ愚カ者デハナイヨウダ」


 夜貴の顔で、あやつが到底せぬような邪悪な笑みで、そう答えてくる。


「ソウトモ。我ハ貴様ノ邪気デハナイ。否、正確ニハ貴様一人ノ邪気デハナイ、ト言ッタトコロカ」

「…………」

「我ハ、狂鬼姫ト成リ果テタ際ニ生マレタ邪気ト、今コノ地下ニテ眠ッテイル樹那佐 夜貴ノ邪気ノ混合体デアル」

「夜貴の――?」

「一度貴様ト戦ッタ際、夜貴ハ僅カナガラ自己ヲ取リ戻シタ。シカシ、ソノ心ハ未ダ黒キ闇ニテ染マッタ愛情ニ支配サレテイルノダ」


 ぶつかり合った際、衝撃だけでなく様々な心の葛藤が、あの時妾の意識を奪った。だから、あの後夜貴がどうなったのかなど、まるで知ることができなかったのだ。


「ソウシテ、愛シイ狂鬼姫ノ気配ヲ追ッタ結果、ココニタドリ着イタ。コノヨウニ、自ラヲ引キ寄セタ邪気ト結ビツキナガラ」


 アレが、あんな邪悪な気配を隠しすらもしない何かが、妾と夜貴、それぞれから溢れた邪気によって生まれたもの、だと――?


「ねーねー、つまり、ええっと――あのヒトは私達のおにーちゃん?」

「あんな邪悪なモノが、お前たちの同類だとは思いとうない」

「ホウ」


 突如として、邪気の混合体が漆黒の玉を投げつけてきた。


「我ハオ前ノコトヲ、産ミノ親ト思イタイノダガナ?」


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