表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十二章
311/1022

《第310話》『仄暗き光の中で』

 そうだ、だんだんと思いだしてきた。


 この光景は、かつて妾が平安の都に住んでいたころのものだ。その時の妾は、観音開きの門から取りつけられた小さな窓からのみ外を覗くことができる小屋のような場所で、軟禁されていた。


 勿論、生まれたばかりのころはそんなことにはなっていない。しかし肌も髪も真っ白で赤い瞳であった妾は、この世に生を受けてから実の親からすらも気味悪がられていた。


 しかし、どこぞかの呪術師がこの平安の都にて、明らかに奇怪な妾に目をつけた。確か、恐ろしい妖の力を閉じ込め、生き神として恐れ崇めることで、厄除けとして(と言うよりは厄寄せか?)役立てるだのなんだの。


 よって、ここで妾に許されているのは息をしていることのみだった。後は、差し出された見た目だけは妙に豪華な食事をいただくことくらいか。


 ――そして何より、


 この時の妾は、まだ人間だったはずだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ