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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十二章
307/1022

《第306話》『鬼の邪念』

 消えていく邪悪な影を見つつ、妾は口を開く。


「あれは――夜貴ではないな? 一体、何だアレは?」


 勿論、そんな事は実体がないことを確認する以前に感づいていた。しかし、何故夜貴の気配を帯びた邪気の塊が、明確な敵意を持って襲い掛かってきたのか。

 しかも、含んでいたのは夜貴の気配だけではない。――そっちに関しては、少しどころではなく分からない。


「アレは――鬼の強い妄執が生み出した幻影よ」

「むぅ――」


 ある程度、そうではないかとは思っていた。「鬼」と言う存在について、妾も完全には把握しきれていないし、知りつくしている者などまずいない。だから、何が起こっても驚くことは無いのだ。

だが、それでも府に落ちない点がある。


「夜貴は、ついぞこの間鬼と成ったばかりだぞ? そこまでの力を秘めているものなのか? 勿論、爆発する程の想いがあれば、新たな存在――とも呼べるものをあのように作れるかもしれないが……」


 妾の場合は、まさしくその典型であったと聞いている。だが、夜貴の場合はじわりじわりと、岩から水がしみ出してくるかのように緩やかに鬼と成り、狂った。

 妖力の関係でも、エネルギー保存の法則に似た関係が成立する以上、この状況はやや不気味だった。


「だから、わたしたちがおかーさんのところへきたの!」

「む――?」

「この先にあるモノに、おかーさんは向き合わなければならないわ」


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