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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十二章
306/1022

《第305話》『豪腕を振るう小さき鬼』

「――ッ、――ッ、――ッ!」


 妾の後方で炎の球が爆裂する音が、何度も耳に入る。

 威力自体は大したものだが、確実に動きを止めるには至っていないらしい。思いの外、強力なようだ。


「――よしっ」


 妾が手伝っていた謳葉が、意気込んだ様子で声を上げる。何を手伝っていたのかって? それは勿論――、


「といれしゅーりょー! いっくよーっ、活葉ぁ!」


 娘の尻ぬぐい(文字通り)に決まっているじゃないか――! ったく。

 そうして飛び出して行った謳葉。その俊敏な動作はまさしく獣のようで、縦横無尽に跳ねまわり邪気の塊へと飛び掛かっていく。


「とりゃあっ!」


 爆炎の嵐が止んだところへ、謳葉の腕が振るわれた。その幼き小さな体躯から繰り出された腕の一撃。

 しかし、見た目に反し、その威力は強烈だった。打ち据えられた闇の集合体が、まるでゴム毬のように廊下を跳ねまわる。


「活葉!」

「ええ」


 その合図と共に、活葉が手をかざす。すると周囲の暗闇が形を変え、化け物を貫いた。


「これで――ラストッ!」


 そこへ、真正面から謳葉の正拳突きが炸裂。象が直接投げぶつけられた以上の衝撃が一点に集約した。そんな強烈な重さの攻撃に耐えられる者は、妖怪であろうとそうはいない。

 そして――、


「イ゛、ガ、ギ、 、 、 、 ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!」


 夜貴の影は、霧散し消滅した。


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