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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十一章
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《第291話》『夜』

「夜貴、落ち着け――っ!」

「フフッ、ア、ハハ――ッ!」


 夜貴の身の内から、絞り出されるように放たれる邪気。紛れもない。そこからあふれ出るのは、偽物の妾が言っていた通りの鬼の気配だった。


「クレ、ハァ――!」

「――っ!」


 邪気の塊が、無数の腕の形となってこちらへと伸びてくる。

 妾はそれらに対して、拳を一振り。風に吹かれた煙のように邪気は一度霧散する。

 ――が、再びまとまったかと思うと、同じように邪な「手」となって掴みかかりに来た。


「ハナサ、ナイ――ハナシタク、ナイ……ッ」

「よ、たか――っ!」


 激流のように押し寄せてくるそれを、妾は真正面から受けた。

 だが、防げなかったのではない。止めるだけなら。吹き飛ばすだけなら。いかようにでもできる。どれだけ墜ちても、かつては「狂鬼姫」などと呼ばれた鬼神だ。


 だが、妾は。夜貴を傷つけたくなどない。


「待っていろ、夜貴――」


 押し寄せる邪気の中を――暗い感情の本流の中、妾は一歩踏み出す。


「妾が、お前を混沌から救い上げてやるからな――ッ」


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