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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十一章
287/1022

《第286話》『こまめな充電、意識しましょう』

『電話だぞ♪ 電話だぞ♪』

「――っ!」


 僕の携帯電話から着信を知らせる呉葉の声が響く。かかってきた先を見ると――画面には「呉葉」と記されていた。


「も、もしもし?」

『………………………………………………………………………………………………………』

「もしもし?」

『………………………………………………………………………………………………………』

「もしもし? もしもーし?」

『ピピッ』


 慌てて手に取り応える。が、いくら呼びかけても返事は帰ってこない。

 それどころか、「ピピッ」と言う妙な電子音が鳴り始める始末。不審に思って手に取って画面を見てみると――、


「電池、切れ――」


 すっからかんな電池を思わせる絵に射線が引かれたそのマーク。充電を忘れていたことを、今完全に思いだす。


 かかってきていた呉葉からの電話は、強制的な電源オフと共に切られてしまった。


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