表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十一章
283/1022

《第282話》『妖怪の史の一ページ』

 その戦いは、三日三晩続いた。


 当初は都の中で繰り広げられていた強力な妖怪同士のぶつかり合いは、次第にその場所を外れへと移していき、いつしか誰もいない山の上で炎が舞い踊る。


「シナ、ナ、イ――?」

「ハァ、ハァ――ッ、ハァ……! こ、この程度で、余が死ぬものか――っ!」


 互いに満身創痍。だが、それでもなお相手へと向ける気迫を衰えさせる様子はない。


「ユルサナ、イ、ユルサ、ナイ――ッ」

「…………」


 先ほどから、同じ言葉を、憎悪を吐き続けるだけの腐れ縁少女の姿に、鳴狐は鼻から息を吹く。


「――そうじゃな。人間は確かに許せぬ。余の母を難癖付けて殺した人間は」

「ウウッ、ウッ、シネッ、ミンナ、ミンナシンデッ、シマェエッ!」


 まさに鬼の形相を浮かべて飛び掛かる呉葉を、剣で鳴狐は受け止める。


「しかしだ、貴様は人間であって妖怪ではないのじゃ」

「ギ、ギギッ、ギッ」


「故に、同族殺しに身をやつしてどうすると言うのじゃ――ッ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ