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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十章
270/1022

《第269話》『覗き現るる闇』

 妾は、今目の前で信じがたい光景を見ていた。

 普段優しい夜貴が、酷く冷たい目で相手を見下ろし、銃をつきつけている。普段の夫からは到底想像もつかないその様子に、その場に居る誰もが固まっていた。


「ど、どうした夜貴――? お前……」

「ちょっと待ってね。すぐに終わらせるから」


 夜貴は、いつもと全く変わらない――本当にちょっとした作業を片付けるような声色で、引き金を引いた。


「っ、待て夜貴っ!?」


 妾は我に返り、銃口を握り潰すことで弾が発射されるのを止めた。行き場を失ったエネルギーが、拳銃を破裂させる。


「わっ、呉葉!? 大丈夫!?」

「大丈夫? ではない――ッ! 何をやっているんだお前は……ッ」

「何って、だから――」

「そう言うことを言っているわけではない馬鹿者!」


 妾がそう言っても、夜貴はきょとんとした表情で見返してくるばかり。そこに邪気を感じるどころか、何かに取り憑かれた様子もなく、本当にいつも通りだった。


 一週回って、恐怖を覚える程に。


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